洋上風力発電には着床式と浮体式の2種類があります。着床式は海底に固定した基礎に風車を設置する方式で、適地は一般的に水深60m未満の海域です。浮体式は海上に浮かぶ浮体構造物に風車を設置するため数千メートルの大水深でも設置可能と考えられています。また、沖合は沿岸よりも風が強く、陸地から離れた方が発電量が増えるため、日本のように浅い海域が少ない場合には、大水深でも設置が可能な浮体式が有利です。さらに、日本は世界第6位の排他的経済水域を持ち、IEAによると洋上風力発電は日本の年間総発電量の約9倍のポテンシャルと試算されています。大水深海域が広がる日本周辺では浮体式が洋上風力発電のポテンシャルの99%を占めており*、2050年のカーボンニュートラル達成の切り札と考えられています。
出典
*IEA:Offshore Wind Outlook 2019
https://www.iea.org/reports/offshore-wind-outlook-2019
発電の仕組みは、風車と同じような仕組みで風を受けることで羽を回転させ、その回転力を使って内蔵されている発電機を回転させることで電気を発生させています。発電された電気は敷設された海底ケーブルを通じて陸上の受変電所に送られて高電圧に変換されます。そして受変電所から系統連系*で電力会社の電力系統に接続し、電力会社を通じて一般家庭に供給されます。
*:通常電気は電力会社から受け取ることしかできないため、発電した電気を一般送配電事業者又は配電事業者の送電線・配電線に流すために電力系統に接続すること。